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    <title>抹茶カプチーノ</title>
    <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com</link>
    <description>抹茶カプチーノ・小説更新情報</description>
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    <copyright>Copyright ©2026 冬生らいあ.</copyright>
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      <title>8話　万屋は揺れ漂う - コンビニ店員のすこしふしぎ</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1859/section/39351</link>
      <pubDate>Wed, 11 Mar 2026 11:25:00 +0900</pubDate>
      <description>コンビニ店員の青年が、SF（すこしふしぎ）なことに遭遇するオムニバス短編集。軽いコメディ調の、日常系SFファンタジー。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　秋が来た。猛暑も去ってずいぶんと過ごしやすくなってきたが、動けばまだじわりと汗をかく。なので店内の冷房は入れたまま。
　朝シフトの主婦バイトが帰ったあと、夕方に大学帰りの永倉が来るまで靖斗一人で店番。まあ平日の昼間なんてさほど忙しくはないし、もう慣れたものだが。
　主婦バイトと書道教室のおばさん先生は知り合いだったらしく、というかおばさん先生が知り合いじゃない人はこの辺りにはいない気もするが、いつも昼過ぎに来ていたおばさん先生は、朝早い時間帯に来るようになった。そして主婦バイトと長話をしていくらしい。朝はすごく忙しいから勘弁してくれと伯父が嘆くようになった。
　なので靖斗がおばさん先生の長話に付き合う回数は減ったのだが、週に二回ぐらいは話に夢中になってキャンディーを買い忘れたと昼過ぎにやってくる。

「そういえば靖ちゃん、最近永ちゃんどお？」
「鬱陶しいぐらい元気ですよ」
「あらそお。よ...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>02 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/32002</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:15:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「デニスの具合はどうなのだ？」
　食堂にやってきたロベルトに、まずそう聞かれた。不安そうな顔で子息夫妻が席につく。
「熱がちょっと高いんです。ハンスさんにお医者様を呼びにいってもらってます」
　ロベルトの前に紅茶を置きながら、ネッドはもうすぐ戻るだろうと説明する。
「そうか。あとで見舞いに行こう」
「ダメですよ。移るじゃないですか」
「少しぐらいは構わんだろう」
「いつも言ってるけどダメです。それより今日の会合どうします？　デニスさんが一緒に行く予定だったんですよね？」
「む、うーむ……そうだな、中止にするわけにもいかんし……仕方あるまい。私一人で行こう」
「大丈夫ですか？」
「……大丈夫とは、何がだ？」
「だってロベルト様一人とか」
「……子供の使いではないのだ。心配いらん」
　ロベルトは少々不機嫌な顔で答えた。もちろんロベルトが一人で何も出来ないなどとは思っていないが、デニスがいるとの...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>05 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31992</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:15:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「……なんて言いました？」
　デニスは眼光鋭く聞き返した。マイナはびくっと全身を震わせて硬直した。ルチアは自分の主人を守ろうと、一歩前に出た。
「マイナ様のお父上が誕生日なので、お祝いに行きたいと言っているだけですよ？」
　ルチアが屋敷に来てから六日目。今日がマイナの父親の誕生日だった。昼食を終えたあとのマイナはダンスの練習に身が入らず、無意識に外を眺めてはため息をついていた。言葉には出さないが両親に会いたがっているのは丸わかりだった。普通なら結婚してたった一ヶ月で、と思うところだが、それが誕生日という記念の日なら多少は仕方ない。
　なので二人でデニスの部屋に来て、出掛けたいと言ったのだが。
「それは結構なことだが、今は時間がないと言わなかったか？」
　マイナの前ではあるが、ルチアを説教するつもりなのかデニスはぞんざいな口調で言った。お前が諭さなくてどうする、と言いたいのだろう。
「ええ、...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>01 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31994</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:15:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　久々に会った長兄の第一声は、エレンフリードの予想を遥かに超えていた。
「……見合い？」
「そうだ」
　十数秒後にぼそりと聞き返した一番下の弟に、兄は即座に重々しく頷いた。
　現ヘーゼベルク子爵である、六つ年上の長兄アンセルモは今年四十四歳。エレンフリードとは違って細身の体つきで、髪はきれいに撫でつけ、口髭も左右に細く切り揃え、流行りのしゃれた服装を好む。兄はいかにも紳士然とした貴族だ。
　ヘーゼベルク家のある町は、エコールの街から北西へ馬車で半月以上かかるところにある。ある侯爵家が治める都市の、ごく小さな地域の管理を任されている。
　収穫祭は毎年の行事であり、特に招待状が送られるわけでもなく、貴族家系の者なら参加は自由だ。参加しなかったからといって問題があるわけでもない。だが招待ではないため、旅費は自分持ちだ。ゆえに遠い領地の貴族はあまり参加しない。結婚相手を探す適齢期の子息や令嬢、その...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>02 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31995</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:15:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　収穫祭まであと五日。ハンスの馬車と、街からも二台の馬車を借り、カスバート家の子息夫妻と令嬢は、使用人たちを連れて王都へと出発した。
　ハンス操る馬車には子息夫妻と秘書、それと若奥様の侍女が乗っていた。
「王都のお屋敷って公爵様がいる……んですよね？」
　緊張した顔で、マイナが隣に座る夫に聞く。義父である公爵とは結婚式でたった一度会ったきりだ。ただでさえ初めて社交界に出ることで堅くなっているのに、義理の父にやっと二度目の対面なんて、緊張して当然だ。
「マイナ、公爵様ではない。父上だ」
「あ。ち、父上……うう、なんか恐れ多い……」
「心配いらん。父上は気さくな人だ。マイナもすぐに慣れる」
「はあ……そ、そうかなぁ……」
「そういえば私も初めてお会いしますから、ちょっと緊張しますね」
　そう言ったのは侍女のルチア。緊張すると言いながらも、右手を頬に当て、軽く首を傾げて微笑する。どちらかといえば...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>03 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31996</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:15:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　迎えに来ていたのは見知らぬ馬車だった。御者にも憶えがなかったが、ヘーゼベルク子爵の命で参りましたと言ったので、兄の使いには違いなかった。
　しかし馬車はヘーゼベルク家の別宅がある通りには近づかず、逆方向へ向かった。どこへ行くのかと聞く相手もいなかったので黙って連れられたエレンフリードだったが、ヘーゼベルク家でないとしたら、ほかに行くところは一つしかない。
　屋敷通りの端、堀がすぐ近くにある一軒の建物。カスバート家の別宅に比べれば小さいが、金をかけていることはよく分かる屋敷だ。財務長官補佐というのは儲かるのだろうか。
　そんな下世話なことを考えつつ、エレンフリードは馬車を降りた。ほぼ同時に屋敷の中から、エレンフリードと同年代らしき男が走り寄ってくる。まだ若いが、服装から考えると執事だろう。
「お待ちしておりました、エレンフリード様」
　右腕を腹の辺りで直角に折って深くお辞儀をする。
「ヘー...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>04 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31997</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:15:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「いたーーーーいぃっ！」
　コルセットで腰を締め付けられている妻が悲鳴を上げる。結婚してからずっとドレスは着ているが、元々体つきは締まっている方なので、あまり腰を締めることはなかった。だが今日は王城でのパーティだ。かなり気合いを入れている。侍女が。
「……大丈夫か、マイナ？」
「だ……だいじょう……ぶ、です」
　ぜいぜいと息をつきながらマイナは答える。その姿に哀れみを感じてしまうが、ロベルトにはどうすることも出来ない。妻付きの侍女は、こんなときは非常に厳しい。
「もう少し我慢してくださいね、マイナ様」
「――いやーーっ！」
　再びマイナは悲鳴を上げた。いや、もう何度目だろうか。
　テーブルに手をつき、マイナはがくりとうなだれる。世の中の令嬢たちは、いつもこんな目に遭っているのか。女は強い、とロベルトはしみじみ思った。
「……そういえばアリエスのエスコートは誰がするか決まったのか？」
　呼吸...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>05 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31998</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:15:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　会場に着いてから、ろくな会話もないままに時間だけが過ぎていく。そもそも会話しようにも、知り合いがいるから挨拶をしてくると、エレンフリードを放置してどこかへ行ってしまう。戻ってきてもワインを一口飲んだだけで、すぐにまた話し相手を見つけてそちらへ向かう。
　エレンフリードも何人かの知り合いに声を掛けられたが、虚しい気分は晴れなかった。一応は婚約者としてきているのに、その婚約者に無視されている。ぽつんと突っ立っている自分が場違いに思えてきた。
　しかし王族たちが会場に入ってきてからダンスが始まるまでに、いつの間にかエルゼ嬢が戻ってきていた。
「……踊りますか、エルゼ殿？」
　ただぼうっと、王族たちの踊る様子を見ていたエルゼ嬢に尋ねてみた。無視されていても一度ぐらいは踊らなければならないだろう。それはエルゼ嬢も分かっているはずだが。
　知り合いとは楽しげな表情だったのに、今はどこか疲れたような顔...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>06 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31999</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:15:00 +0900</pubDate>
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その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「……なるほど。話は分かりました」
　エレンフリードとイレーネの話で、パストーリ子爵は納得した。らしい。ソファーの背にもたれて、深々と息を吐いた。
　パストーリ子爵の部屋に、騒ぎの当事者であるエレンフリードとイレーネ、それからエルゼ嬢が集まっていた。イレーネはもちろん服をちゃんと着て来た。
「エルゼ、見合いが嫌なら嫌と、なぜ言わなかった」
「言ってもお父様は聞いてくれないわ」
「言わなければ何も分からんだろう。エレンフリード殿はお前の好みではないか。何が不満なのだ」
　その言葉にエレンフリードは驚いた。好み？　誰が？　誰の？
　しかしエルゼ嬢はきっ、と眉を跳ね上げた。
「お父様は分かってないわ！」
「なんだと？」
「私は年上が好きなわけじゃないの！　ウルリクが好きなの！」
　エルゼ嬢は必死の表情でそう言った。エレンフリードは首を捻った。その言葉は少し前にもアリエスが言っていたことと同じだが...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>01 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/32001</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:15:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　カスバート家嫡男の従者、ネッドの朝は早い。
　陽が登ったばかりの午前五時、母ペニーが二段ベッドの下から起き出す。母の着替えるわずかな音や、その体格ゆえの足音で、ネッドの意識は半分ほど覚醒する。
　二段ベッドの上でネッドがもぞもぞと寝返りを打っている間に、母は部屋を出て行く。それから三十分ほどは再び眠りに落ちるネッドだったが、戻ってきた母に叩き起こされる。
「ほら時間だよ、ネッド。早く起きな」
　毛布の上からぺしぺしと叩かれ、ほんの数秒は抵抗してみるがすぐに諦め、毛布を被ったまま、両手を付いて身体を起こす。
「……ふわあ……～い……」
　あくび混じりの返事をして、ネッドは目をこすりつつベッドの上で座り込む。
　息子を起こした母はまたさっさと部屋を出て行った。先ほどは洗濯物を集めに行って、今度は朝食の準備だ。ネッドは朝食が出来るまでの間、本館の表玄関の掃除だ。

　裏口に置いてある掃除道具を...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>01 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31988</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:14:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　十二の歳から奉公に出ていた、ラニエリ男爵家の四女ルチア。二十一になった年の夏、勤めていた侯爵家の奥方が老衰のため亡くなり、次の雇い先を探していた。長年、懸命に妻に尽くしてくれたと、侯爵の厚意でしばらくの間は屋敷に置いてくれていたが、仕事を与えられないままに日々が過ぎていくことにルチアは焦っていた。
　これではただの厄介者。侯爵が次の雇い先を探してくれているが、それすらも申し訳がない。話が来たら、それがどんな屋敷であってもすぐに受けるつもりでいた。
　そしてその年の初秋、新しい勤め先として紹介されたのは、侯爵家よりも上、大都市エコールの領主カスバート家だった。

　西国ではごく一般的な、茶色いまっすぐの髪をきっちりと結い上げ、貴族の娘としても侍女としてもおかしくない、控え目なドレスを身につけ、ルチアはカスバート家にやってきた。
　カスバート公爵家。聞いた話では、当主のローランド公は王宮での...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>01 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31975</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:14:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「うぅ～～～～む……」
　執務室に重い声が響いた。
「……どうしました、ロベルト様？」
　主人の尋常ではない唸り声に、デニスは眉をひそめた。
　大国グレス＝サリアで二番目の都市、エコール。その街を治めるのはローランド・カスバート公爵。デニスはカスバート家執事の息子で、次期領主の秘書をやっている。あと十年もすれば、目の前に座るロベルト・カスバートが公爵となり、デニスはその執事となっているだろう。
　デニスは現在二十八歳。主人であるロベルトは二十二歳。デニスが物心ついたときに生まれたロベルトを、小さい頃には遊び相手、その後は兄代わりとして二十二年間、ずっと世話し続けてきた。勤勉で頭の回転がよく、真面目な性格をしたロベルトはいい領主になると思っている。ただ一つの問題を除いては。
　街からの要請により、街の北に流れる大河に橋を架ける工事をすることになった。その工事のすべてをロベルトが引き受けること...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>02 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31976</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:14:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　あそこまで言われる筋合いはないと気づいたのは、馬車が繁華街にさしかかった頃だった。山を下りたところまででいいと言ったのだが、今日はほかに予定がございませんからと、御者のハンスは繁華街まで馬車を走らせた。
「今日ほど嬉しい日はございません」
　馬車に乗る前、ハンスはいつも以上に朗らかに笑った。六十歳近い彼は、カスバート家の御者をやって四十年になる。何事に置いても控えめなハンスだが、唯一プライドを持っているのは馬の扱いだ。どんな荒馬でもすぐ彼に懐いてしまう。
「昔、旦那様を奥様のお屋敷へお連れするようになってから、恋の橋渡しをしているような気分になってしまいましてね。お坊ちゃんがお生まれになったときにはいつかこんな日が来るだろうと思っておりましたとも」
「……そ、そうか」
　感極まっているハンスに、ロベルトはそれしか言えなかった。

　ロベルトが出掛けてから、デニスは自分の部屋で残りの仕事を...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>03 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31977</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:14:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　今日は少し会話が出来たとロベルトの表情はほころんでいた。貴族の跡取り息子が女一人と会話したぐらいで何をはしゃぐのか。そういう意味でも頭の痛いデニスだったが、せっかく喜んでいるものを曇らせなければいけない、そう考えるとまた頭痛がする。
「ロベルト様、お食事の前にお話があります」
　嬉しそうな顔で馬車を降りたロベルトに、出迎えたデニスは会話の内容を言おうとするロベルトを遮った。きつい表情をしてしまっていたのか、ロベルトはすぐに普段の生真面目な顔つきに変わった。
「何かあったのか？」
「ステア・ダルベールのことです」
「……そうか。私の部屋で聞こう」
　打って変わって威厳に満ちた態度で、ロベルトは屋敷に入った。やはり彼は人の上に立つべき人間だ。たった一度の失恋ぐらい、すぐに立ち直ってくれるだろう。デニスはそう希望しながら、後に続いた。

「……亡くなっ……ていた……と？」
「はい」
「……間違...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>04 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31978</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:14:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　とうに適齢期を過ぎた貴族娘が一目惚れなどお恥ずかしい。フェリア嬢はそう言って、はにかんだ。とても寂しく、諦めきった微笑だった。
　フェリア嬢にもこれまで縁談はいくつもあった。実家の伯爵邸にいた頃からその聡明さは噂であり、王都に来ればさらに多くの貴族子息が詰めかけた。しかし彼女はどんな殿方からの誘いにも乗らなかった。しかし性格ゆえに冷たくあしらうことはなく、それが逆に奥ゆかしいと言われ、二十五になった今も縁談は止まらない。
　ロベルトとは違い、フェリア嬢は十代の頃に初恋を済ませている。歳の離れたピアノ教師。だが相手からはただの生徒としか見られず、レッスンが終わると同時に初恋も終わった。それから十年。胸を焦がすほどの男性は現れない。男らしく冷静で、しかし瞳の奥に情熱を秘めたような、あのピアノ教師に似た男性を捜してしまう。だけども現れない。
　二十五になり、このまま王女に仕えて一生を過ごすのも...]]></content:encoded>
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      <title>01 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31980</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:14:00 +0900</pubDate>
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その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　カスバート家の邸宅は領地であるエコールの街を見下ろす、山の中腹に建っている。街の名前の由来となった山はエコーロリアと言い、その山のすべてがカスバート家の庭のようなものだった。
　屋敷の建物自体は正門からさほど離れてはいない。権力を誇るような大きな庭園もなく、常に水が流れるような巨大な噴水も設置されていない。初めて訪れた人間は貴族の邸宅らしからぬ、素っ気ない造りに驚く。そして屋敷の裏側、そちらこそがメインの、自然を利用した広大な庭を見て、さらにまた驚く。
　人の手で作られた華美なだけの庭園は、屋敷の中央西側に、ほんの少しだけ。今は亡き公爵夫人が自分好みの花を植えていたのを、庭師が今も守っている。
　屋敷の裏から草原を歩き、林に入ってしばらく行くと、十数段の上り階段がある。その上には、森を切り開いて建てられた、教会の形をした小さな建物。人一人がやっと入れる程度で、真っ白い屋根の上には、十字に...]]></content:encoded>
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      <title>02 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31981</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:14:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ロベルトの婚儀に招待された貴族は、遠方から馬車でやってくる。エコールの街は王都に次ぐ大都市で、自然が多いのでエコールに別荘を持つ貴族もいくらかいる。それらの貴族はもちろん自分の別荘に泊まるわけだが、そうでない貴族のため、招待したカスバート家が宿を用意しなければならない。それもそれぞれの爵位に合わせる必要がある。たとえば王族代表として第五王女マリエーヌがやってくるが、王女とほかの貴族をまったく同じ宿で同等の部屋を用意するわけにはいかない。
　それらの決定はデニスが一人でやってしまうのだが、宿への直接の手配はネッドが任されていた。
　デニスの指示により、今日もネッドはエコールの街を走り回っていた。ロベルトと一緒に街の中心部まで馬車で乗り付け、そこからネッドだけ文字通り走り回る。高級宿をあちこち回り、繁華街近くにある教会へ、式の打ち合わせを進めに行く。式は二週間後に迫っている。休憩する暇もなく...]]></content:encoded>
    </item>
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      <title>03 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31982</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:14:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　式まで一週間を切った。ロンキュール准男爵がほかの貴族たちよりも一足先に、エコールへやってきたと聞き、エレンフリードは部下たちに街の巡回を命じた。それと同時に神剣の聖堂も定期的に見回らせた。
　ロンキュール准男爵は使用人を一人連れていただけで、宿も一般的なところを自分で選び、特にこれといった動きは見せなかった。式に呼ばれてやってきた貴族たちを訪問し、香水を勧めることぐらいはしていたようだったが、商売人であればおかしなことでもない。貴族の仲間入りを果たしたばかりの者としても、自分から高位の貴族へ挨拶に行くのはごく当然のことだった。
　もっともエレンフリードはロンキュール准男爵を直接見たわけではなく、部下の報告での印象しかない。実際に会えばその印象も変わってしまうかもしれないが、やはりデニスの懸念は気にしすぎだとしか思えなかった。

　式の二日前になり、王都からマリエーヌ王女がやってきた。街で...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>03 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31990</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:14:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　カスバート家にやってきてから三日目――侍女として働き始めて二日目。本格的なダンスのレッスンを始めた。
　ルチアがダンスを習ったのは、実家ではなく侯爵家。舞踏会に出るようなことはないと考えていたルチアに、侯爵夫人が学ばせた。いずれはどこかの貴族子弟との縁談が来て、再び令嬢として踊る機会もあるだろう。あるいは、今後別の屋敷に雇われ、そこの令嬢に教えることもあるかもしれない。そう言って。先が長くないと悟っていた侯爵夫人は、ルチアの将来を色々と考えて、たくさんのことを教えてくれた。
「マイナ様、ご実家にいたときはどのような服装をされてましたか？」
「服ですか？　上は普通のブラウスで、膝下のスカートです。ルチアさんのそのスカートより、もうちょっと短いぐらい」
　店で仕事をしていたときは、いつも侍女の仕着せに似た服だったらしい。軽食屋の仕事というものがルチアには今ひとつ分からないが、きっと侍女の仕事...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>02 - カスバート家の縁談</title>
      <link>https://m-cappuccino.kashi-hondana.com/author/page/1860/section/31989</link>
      <pubDate>Sun, 03 Nov 2024 21:14:00 +0900</pubDate>
      <description>22歳にしてやっと初恋した、公爵家の嫡男ロベルト。
その片腕で彼のフォローに徹する、執事の息子デニス。
兄弟のように育ち、誰よりも信頼し合う。彼らを取り巻く公爵家の、愛と笑いの主従ドラマ。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　食事の席にいた使用人は八人。ほかにも騎士団寮に料理人がいるらしいが、やはり全員身分は持っていなかった。そのせいか、厨房の食卓ではあるがルチアは上座に近い位置に座らされた。上座は執事のもので、いつも空いているらしい。ルチアの向かいにはデニスが座っていた。やはりデニスが屋敷を仕切っている、ということか。
　その日は旅の疲れもあって、ルチアは早々に眠った。翌朝、いつもの癖で六時前には目が覚めた。六時にペニーが来るという話だったので、それまでに身支度を終えることが出来た。
「おや、早いね。おはよう、ルチアさん」
「おはようございます、ペニーさん」
　黒いエプロンドレスを身につけたルチアを、ペニーは満足げに見る。
「ぴったりみたいだね。じゃあ行こうか、ルチアさん」
「はい。……あ、待ってください」
　部屋を出ようとするペニーを呼び止める。
「なんだい？」
「私のことはルチアと呼んでもらえませんか」...]]></content:encoded>
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